先日、ずっとお会いしたかった人に会うことができました。
それは、オンラインショップを立ち上げた12年前から尊敬するSimplicityの緒方慎一郎さん。
ご存知の方も多いと思いますが、東京で和菓子のお店「HIGASHIYA」や「楳心果 | 八 雲 茶 寮」の設計、経営、店内で使われる道具の開発全てを手掛けるSimplicityの代表です。
お店の経営や設計はよくある話だと思いますが、緒方さんは、現代における日本文化の創造という壮大な計画のもと、食、茶、菓、工、創と5つのジャンルに分け、緒方さんが想う日本文化のかたちを育てています。そして昨年、パリにもお店をオープンされ、ようやくスタート地点に立ったそうです。
Analogue Lifeでは実店舗のない時代にSimplicityの商品の取り扱いを依頼しましたが、最初はオンラインショップだけではという理由で断られてしまいました。それでも諦めずにアプローチを続けていたら、念願叶ってお取り扱いがはじまり、そこから10年もお付き合いをさせていただいております。しかしご本人にお会いしたことはなく。。。緒方さんのセンス、先を見据えたお店の在り方や規模も全く違う、到底追いつけるはずのない遠い存在の方に、実際会ってしまったら緊張しますし、お会いできなくても緒方さんが書かれた本を読んで考えを共有させていただければそれでいいと思っていたのですが、急に会う機会が巡ってきたのです。
店を立ち上げて直ぐにお会いしていたら、何もお話できないくらい緊張したと思うのですが、私も10年以上様々な経験を積み上げたことで、緊張はしたものの、不思議とリラックスして話すことができました。緒方さんのような方でも20年以上かけてようやく自分の思い描く道のスタート地点に立ったことや、これまで手掛けてきたこと、今後の活動について、また個人的な想いや疑問などをぶつけることができ、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
お店に直接訪れてもらう日が来るなんて想像もしていませんでしたので、10年以上が経ち、こちらの心の準備が整った時点でやってきたこのタイミングはとても面白いなぁと思いました。
そして、以前なら憧れでしかなかったのですが、10年経った今では、尊敬の気持ちは変わらないものの、緒方さんと私たちとの違いや私たちの目指すべき場所が明確になり、今後についてのモヤモヤが解消され清々しい気持ちになりました。
この歳になると、目指す場所が曖昧になったり、変化を望まなくなったりもしますが、節目となる10年目で憧れていた人に会って受けた刺激は、今後、新たな道に進んでいくための原動力になることは間違いないと確信した私です。
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