6月 26, 2019

7月の展示のお知らせ

石原祥充(陶) × 只木芳明(木)
Yoshimitsu Ishihara × Yoshiaki Tadaki Exhibition
2019 7.6sat  > 14sun[作家在廊予定:6(土)/CLOSE:9(火)]

 土や木は、古来より私たちの身近に存在する自然素材。
毎日の暮らしが便利になる一方で、 自然素材の温もりや優しい手触りなど 心地良さへの憧れはより一層深まっていくように感じます。
今回、異なる素材を使用して制作している 石原さんと只木さんに二人展を依頼したのは、 プリミティブな要素を内包するおふたりの作品が 同じ空間に展示されることで、
新たな表情を生み出してくれるのではないかという期待からでした。
そしてコラボレーションで制作された蓋物を見たときに、 さらにその想いが深まった事は言うまでもありません。
作品に手を加えすぎることなく、 素材を活かしたおふたりの作品は 日々の暮らしに大切なものが何であるかを 私たちに語りかけているようです。

 “私は一年に二度窯を焚く。 多分、回数としては少ない方だと思う。
そんな中で今回、若い木工作家の只木芳明さんと 二人展用のコラボレーションの仕事をお互い行ったり来たりさせながらやりとり出来たことを とても面白いことだと感じています。”

 石原祥充 Yoshimitsu Ishihara
1971年 大阪府茨木市生まれ
1976年 福岡県直方市に移る
1996年 多摩美術大学彫刻科卒
 1998年 京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了
2006年 現在地に薪窯築窯 独立 “

只木芳明 Yoshiaki Tadaki 
1990年生まれ 
2010年から少しずつ実家の一室で木を彫り始める
現在、埼玉県で器や匙等道具を制作


”材料となる木は一つひとつ違うという 当たり前のことを 

今年に入り改めて実感しています。 同じように彫った匙でも
 手に取ると一つひとつ違うこと、 葛藤の結果であることを 
手に取って感じていただければ嬉しいです。” 

  Analogue Life 〒467-0004 名古屋市瑞穂区松月町4-9-2,2F Tel 090-9948-7163 〈展示期間中〉Open 12:00~18:00, Close  9(火)のみ *4(木)・5(金)は展示準備のためお休みします 
*7月は企画展を2回予定していますので、通常の展示はお休みとなります



6月 09, 2019

沢田英男展を終えて

6月2日まで行なっていた沢田英男展には沢山の方にお越しいただきまして、本当にありがとうございました。
これまでのAnalogue Lifeの企画展とは全く異なり、彫刻は実用的なものではないため、どのくらいの方が反応してくださるのかとても不安でした。しかし、本当に多くの方がご来場くださり、それぞれの作品に自分の想いを投影させている姿が印象的な展示となりました。

私自身も展示を終え、改めて自分がタイトルにした「投影」について想いを巡らせていた時に、ふとある作家との会話を思い出しました。 彼女は染織作家で彼女が制作する布を見ながら、私が好きなものについて話をしていた際に口から出てきた言葉だったのですが、「手紡ぎのポコポコと糸が不揃いになっているそのテクスチャーに惹かれる」と。また、「綺麗に織られたものより、素材がより感じられるもの、木製品なら、穴があいていたり歪んでいるもの、朽ちたものに美しさを感じます。それは私が平坦な道を歩んできていないから、そういうものに惹かれるのだと思います」とも。沢田さんの展示で「投影」というタイトルをつけ、改めてその意味を考えた時に、私自身がお店でセレクトしているものに、自分の人生を投影していることに気づきました。不完全なものから感じる美や時を重ねることでしか生まれない美しさ、また朽ちていく姿に儚さや寂しさを感じ、それが自分の人生と重なって心動かされるものをつい手に取ってしまうのだと、はっきりとわかりました。綺麗なものへの憧れよりも、自然のあるがままの姿は時に残酷だったりもしますが、そこからしか生まれない美しいものや感情に私は惹かれるのだと思います。

今回展示をする際に、作品の隣にタイトルを書きましょうか?と沢田さんにお聞きしましたが、タイトルを見ると先入観にとらわれてしまうので、その方それぞれの想いで見ていただければとおっしゃっていたのですが、使いやすさなどが重視される器の展示とは違い、今回の展示のようにどれを選んでも正解で、自分の感性に任せて選んだ1点はいつまでも心に残り、大切なものとなるはずです。

情報の多い世の中に左右される事なく、自分らしさを大切にするきっかけや、自分と向き合う時間をくれた沢田英男展は私自身も大変勉強になりました。
また2年後に行う予定の沢田さんの展示では、彼の作品の中にどんな自分を映しだすのでしょうか。今からとても楽しみです。。。

6月 06, 2019

長野史子展

「6月の静かな情景」 長野史子 展
 Fumiko Nagano Exhibition 2019 6.15sat > 23sun[作家在廊:15(土)、16(日)/CLOSE:18(火)] 

さまざまなガラスの技法や知識を組み合わせ 独自の手法で制作されているガラス作家 長野史子さん。 滑らかな光沢のあるものやマットな質感のもの、 用途のあるものから各々の見立てで料理を盛ったり、そのまま飾ったり。 多彩な表情をもつ長野さんの作品は 使い手の柔軟な発想で自由にお使いいただける魅力があります。 
6月の梅雨の時期に開催する今展では、 ひっそりと佇む長野さんの作品とともに お店の屋根や庭の葉にポツポツと落ちる雨音にもそっと耳を傾けながら、 この時期にしか見ることのできない情景をお楽しみください。 みなさまの心に記憶していただける展示になればと願っております。 

長野史子 Fumiko Nagano 
1974年 三重県生まれ(愛知県育ち) 
1998年 芸術大学卒業後、テレビ局の美術演出の仕事をする傍らガラス工房に通い作品を
    制作し発表する。瀬戸市新世紀工芸館ガラスコース終了 
2005年 瀬戸のピーターアイビー氏の工房(現在は富山)、瀬戸のキッタヨーコ氏の工房、     名古屋の佐々木雅浩氏の工房 などで作品制作。 
2013年 以後、各地で個展など開催 

“スタイリングの仕事をしていた頃、 自分の欲しいうつわを作りたいと思いたちました。 作家ものを自宅でも日常で使うようになり、 つい手に取ってしまううつわには ふところの広さ、余白、心地いいゆらぎを感じます。 時にはハッとするような色鮮やかな洋服を纏いたい気分の日があるように、 遊び心が強いものがいい時もある。 そんな、誰かの毎日にそっと寄り添うようなものを作れたら嬉しい” 

 
 Analogue Life 
〒467-0004 名古屋市瑞穂区松月町4-9-2,2F Tel 090-9948-7163 〈展示期間中〉 
Open 12:00〜18:00, Close 5/28(火)のみ *6/13(木)・14(金)は展示準備のためお休みします https://www.analoguelife.com