アナログライフの店頭には、繊細な器だったり、少し使いにくそうなアイテムも並んでいます。私自身、主婦業もしていますから、丈夫で割れにくい器や、電子レンジ、食洗機もOK、考えなくても気軽に使えるものが楽に感じる時もあります。でも機能性ばかりを追求したものはどこか味気なく、愛着もあまり感じられません。
若い頃、ヨーロッパのデザイナーの服を中心に扱うセレクトショップで働いていたのですが、好んで購入していたものはやはり上質な素材で作られたシンプルなものでした。でも中には細身で美しいシルエットのJKなどが入荷すると、あまりの美しさにデザイン優先で着心地は二の次という買い物もよくしたものです。それは、少々の動きにくさなどどうでも良くなってしまう程デザインが素敵で、身に纏った自分の姿を見ているととても気分がいいのです。同じくアナログライフで取り扱っているものの中にもデザイン重視で多少使いにくいもの、気をつけて取り扱っていただかなければいけないものもありますが、その美しさは、多少使いにくくても、薄くて割れそうなものでも、そうでなければ生まれなかった美しさと思うと、逆に煩わしさよりも愛着さえ感じられるのです。多少動きにくい服は、それに合った場面で身につければいいだけのことで、モノからいただくパワーを考えれば、大した事ではないように感じられます。モノも同じで、繊細な物は毎日使わなくても、一人の時や、大切な人との時間にだけ登場してもいいのではないでしょうか?いつも着心地や、使い易さばがりを追求していたら、周りにはつまらない物だけが集まってくるかもしれません。
人間もそうですが、長所や短所も紙一重で、それらが活かされる場面ではどちらにもなり得るのです。愛すべきモノやコト、というのは、パーフェクトなモノの中には存在せず、実は欠点と思われるような中に存在するのかもしれません。
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