よく周りの人に、「いつも黒を着ているね」と言われます。確かに、クローゼットにある服の色はほとんど黒。違う色といえばグレーもしくは白。私にとって黒という色は、「嘘がつけない色」という気がします。黒は着る人自身が際立ってしまうので、その人に雰囲気があれば素敵に見えるし、何もなければ普通もしくは地味になってしまいます。
黒が好きといっても色だけではなく、洋服のデザインがシンプルな黒に限られるのですが、考えて見ると、住む家や車、持ち物全てにも同じことが言えます。何故かシンプルなものに惹かれるのです。その惹かれる理由を今までは単純に好みとして捉えていましたが、最近になって、日々暮らす空間から身につけるものまで全てが無駄を削ぎ落としたシンプルなものに惹かれるには私なりにはっきりとした理由があることがわかりました。日々の暮らしに必要なものは、もの自体が機能するために必要最低限の形があり、その形に付け足し過ぎるとわざとらしくなり、そこばかりが気になって最後には飽きてしまいます。それがものを活かすための最小のデザインであれば、もの自体が醸し出す雰囲気や素材の美しさにだけに目が行き、生活の一部となっていつまでも持ち続けられます。私が惹かれるシンプルなものとは、ただ単に簡素ということではなく、シンプルなデザインが際立たせるモノ自体の力強さ、美しさなのです。
現在お店にセレクトされているものも、一見するととてもシンプルなものに見えますが、私たちが提案しているものは、素材本来の持つ美しさを活かし、作家や職人、デザイナーが個々の手法により作り上げる造形美です。私たちは、モノも人も、付け加えられたもので本来の美しさを隠すより、それが活きるさりげないデザインが一番美しいと感じています。。。
私が黒ばかりを身につける理由・・・それは自分がどんな状態であるかを常に意識させるためなのです。
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