June 18, 2017

私が大切にしていること

お店にいると、お客様から店に並んでいるものはどういう基準で選んでいるか?というような質問をされる事がある。普段モノを選ぶ時、自分の感性に訴えてくるものを手に取るので言葉で説明するのは難しいのですが、改めて考えてみると、私が惹かれるものはどれも共通しています。余分なモノは削ぎ落とされたシンプルなもの、素材が活かされているモノ、わざとらしくないモノ、わかりやすく言葉にするとこんな感じでしょうか?
モノだけではなく、全てのモノ、コトを削ぎ落としていくと、その先に見えるのはありのままの姿です。モノを覆うデザインが素材を活かすためのデザインであればよく見えますが、付け加えるものが素材を覆うだけで活かしていないのだとしたら、見た瞬間に違和感を感じます。そのちょうどいい加減を感じる部分が人より強いのかもしれません。
元々小さい頃から感受性が強く、世の中の良い事、悲しい出来事も自分の事のように感じてしまう子供でしたから、あまり不思議な事ではありません。
もちろん、それ以外にも沢山の買い物をして失敗したり、身分不相応なコトをした経験、その遠回りとも思える数々の失敗が今の私を作ってくれていると思います。ありものままの姿や素材そのものが見えるのは、時に恥ずかしかったり、心が苦しくなったり、見えない方が傷つかず楽かもしれないけれど、それでも削ぎ落とした先に見えるものを常に追って行きたいと思う。お店に置いているものは作家さんが作った作品であったり、職人さんが製作した日用品であったりしますが、それをモノとして単体で考えているのではなく、Analogue Lifeがある建物、庭、置くもの全てが一体となって作り上げる佇まいを大切にしています。Analogue Lifeが入っている日本家屋はこだわって造られているからこそ、それを活かしてモノを置くのは非常に難しい。ただの白い箱の中に置くのは簡単ですが、ディテールにこだわった建物の中で調和させながら展示するのは神経を使います。
そのため、気持ちのいい空間とか居心地がいい、なんて言葉を聞くと、誰かの心を少しでも動かすことができた喜びで一杯になります。80年以上前に、こだわって建てられたこの家を、今の世代の方が見て感動する。そんな橋渡しができる場所に身を置かせていただけているこの環境に感謝です!